声優道

超ベテラン声優からあなたへ、声優になるための極意を伝授します。


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野村道子の声優道

賢プロダクションにて、多くの声優を育成されている野村道子さん。今回は、野村さんの“声優道”を、2回に分けてお送りします!

プロフィール

野村道子 のむらみちこ……賢プロダクション。長年続けた『ドラえもん』しずかちゃん役と、『サザエさん』ワカメちゃん役を若手にバトンタッチした後、現役引退を表明。現在は後進の育成とイベント企画・制作等のプロデューサー業の毎日。また、加藤みどりと立ち上げた女性だけの朗読集団「みどりぐみ」でも精力的な活動を展開している。『さるとびエッちゃん』エッちゃん、『みつばちマーヤ』マーヤも代表作だ。
スクールデュオ公式サイト

②個性的で長持ちする役者を育てる。それが私の生きがいです。

やればやるほど難しかったワカメちゃん

内海(野村さんのご主人の内海賢二さん。『北斗の拳』ラオウ役など)が賢プロダクションを立ち上げてから25年目に入りました。その頃、私は青二プロダクションに所属していたんですが、彼はとても経営者タイプではなくて、「こりゃダメだ」って、青二を辞めて一緒にやることにしたんです。マネージャーを含めて7人だったから、"七人の侍”なんて言ってね(笑)。本当に経営のことなんて何も分からなかったから、二足のわらじははかずに一足にしようと、実はそのときに当時レギュラーだった声優を辞めようと思ったんですよ。『サザエさん』と『ドラえもん』だけにして、「この二つが終わったら全部やめよう」と。ところが長寿番組になってあんなに時間が経っちゃった(笑)。ですから『ドラえもん』がリニューアルすることになったのを機に、『サザエさん』も同時に降ろしていただいたんです。

『サザエさん』のワカメちゃんは難しい役でしたね。作りすぎると浮いちゃうし、自然な芝居だけでは子供にならないし、可愛らしさも必要で。やればやるほど難しさを感じました。しずかちゃんの方は声も合っていたのかな。得意な役柄でしたからやりやすく、本当に深く掘り下げていろんな面が出せるんですよね。この前ね「ワカメちゃんとしずかちゃんは同じ声優さんだったんですか?」とビックリされて。声優としては「やったぜ!」みたいな感じでした(笑)。声優業に未練ですか? 内海がね、「これからもっとおもしろい仕事もきっと出てくるから、引退ではなく開店休業中にしておけば」って言ってくれたんですけどね…。でも、プロダクション業のほうもすごくおもしろいんですよ。 

自分のスタイルを頑固に変えない子は強い

野村道子10年前に賢プロ付属の養成所(スクールデュオ)をスタート。 専門学校などで1年以上演技のレッスンを積んだ人が対象です。みんなとってもかわいいんですよ。だって一生懸命なんですもん! 去年までは何でもない普通の子が、「私の台本は?」なんて言うようになるんですからね(笑)。「アルバイトをしなくてよくなりました」って言ってくれたり。なんとかこの道だけで早く生活できるようにしてあげたい。そして息の長い役者に育てたい。それが私の生き甲斐です。
最近現場で感じるのは、個性的な子が少なくなったこと。みんな画一的な声を出して、同じようなしゃべり方をする。そういう子ばっかりいっぱいいるんですよ。それでうちの養成所はね、ちょっと変わった個性的な子を意識的にとってきたんです。そしたらレッスンなんかすごくおもしろいの! 明るくてハチャメチャなんだけど、こういうヤンチャなのは大事にしておこうとつくづく思いました。

そういえば谷山紀章なんかは、めちゃめちゃツッパッていたのよ。「私、ツッパッてるの好きだから、あの子がいいわ」ってオーディションのときに1本釣りしてきたの(笑)。ツッパッてる子は、その分頑張らないとカッコ悪いじゃないですか。だからツッパッているのはそれだけやる証拠だと思ってね。この前「ブレイクして良かったね」って言ったら、「道子さん、(売れるまで)10年かかるって言ったじゃないですか」って言ってましたよ。優希比呂や、かないみかも、みんなそう。自分のものを頑固にもっている。そういう意味では、自分のスタイルを変えない子は強いですよね。魅力がある。私はそういう子を見ると、どう料理しようかとすごく楽しみなんです(笑)。

声優という職業の魅力は、いろんな役ができて、日常的じゃないセリフも言えること。ただ一生懸命やれば誰でも華開くというものではありません。潜在的にもっている個性や才能が大事になってくる。そのひらめきを見極めるのが私たちの仕事です。これから声優を目指す皆さんは、まずは心も体もたくましくなってください。そして自分のスタイルをいつまでも大切にしてくださいね。

 

先輩から学ぼう!

声優相談室、柴田がカツ
最強声優データベース、声優名鑑

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