声優道

超ベテラン声優からあなたへ、声優になるための極意を伝授します。


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チョーの声優道

教育番組『たんけんぼくのまち』のチョーさんとして子供たちに大人気となり、ついには芸名もチョーさんに! 声優としてさまざまなアニメや洋画の声を担当するだけでなく、TV番組『いないいないばあっ!』では着ぐるみで演じるという八面六臂の活躍を見せています。そんなチョーさんが、芝居の世界に入ったきっかけ、さまざまな番組でのエピソード、そして声優を目指す人へのメッセージまで、たっぷりと語ってくださいました。

プロフィール

チョー  ちょー…12月15日生まれ。俳協所属。主な出演作は、アニメ『ONE PIECE』(ブルック)、『逆境無頼カイジ 破戒録篇』(大槻)、『マリー&ガリー』(ガリレオ)、『ペンギンの問題』(井上マイケル)、『犬夜叉』(邪見)、『ぶぶチャチャ』(チャチャ)、TV『たんけんぼくのまち』(チョーさん)、『いないいないばあっ!』(ワンワン)、『侍戦隊シンケンジャー』(骨のシタリ)、洋画『ロード・オブ・ザ・リング』(ゴラム)、『スクービィー・ドゥ』(スクービィー)ほか。

俳協 ホームページ

チョー 公式ブログ「きのうチョーあした」

②アフレコという作業に慣れるまで5年くらいかかった

 声優の仕事は思ったより甘くなかった

 

  

 

 

チョー

 『たんけんぼくのまち』に出演するようになっても、やっぱりそれだけでは食べていけませんでした。それで、劇団の公演を見に来てくださった関係者に「もっと仕事がほしいんですけど」と相談したら、「じゃあ、うちの事務所に入らないか?」といわれて入ったのがぷろだくしょんバオバブでした。『たんけんぼくのまち』のロケにも時間が取られるし、それで劇団の稽古もしていたらほかの仕事をする時間がとれなくなるので、事務所に入るのと同時に劇団は辞めました。
以前にも、芝居を見に来てくださった方からラジオCMのお話いただいたりしたことがあったんです。そのラジオCMのナレーションがクライアントさんに気に入られて、継続して何度も仕事をいただけていたので、声優の仕事を増やせばもっとお金を稼げるだろうと思ったんですが、そんな甘い世界ではありませんでした。アフレコのとき、絵と台本を同時に見ることができないんです。台本を読んでいるうちに、画面が先に流れて行っちゃう。

絵に合わせて演技するという技術をまったく勉強してないから、どうしても絵に合わせられないんです。昔は今のように、事前にビデオをもらって練習しておくということができず、キャスト全員がスタジオで画面を見ながら1回通しで読み合わせをしたら、すぐテスト、本番という形式でした。とくにアニメの場合は、絵がまだできあがっていなくて線画だったり真っ白だったりすることも多く、僕もまだ経験が浅いので端役が多かったということもあって、自分の演じるキャラクターが一体いつ出てきたのかも分からないんです。それでアニメや洋画の吹き替えの恐怖症になりました(笑)。声優の仕事のなかでもラジオドラマやドラマCDは、自分の間でお芝居ができるから楽しいんです。でも画面に合わせられないんじゃ、僕は絶対に声優に向いていないと思いましたね。
アフレコという作業に慣れるまで、5年くらいかかりました。まったく分からないまま続けていても、5年もやっていると慣れるものですし、それなりにコツがつかめてくるんですね。芝居をすること自体は楽しいですから、コツがつかめてしまえば、あとは自分の中で咀嚼していけばいいだけなんです。ただ、僕が5年かかったというだけで、勘のいい方ならもっと早く習得できるのかもしれませんけどね。前もって声優養成所で技術を会得していることもあるんでしょうけど、今の若い方はみんな勘がいいなぁと思います。

 

着ぐるみで自由に表現できる楽しさ

チョー

 今でも続いている『いないいないばあっ!』の着ぐるみ、ワンワンのお仕事は、「着ぐるみで演技してほしい」という形でいただいたんです。着ぐるみの操演はアルバイトで戦隊ものの怪人をやったくらいしか経験がなかったんですが、僕としては表現には変わりがないので抵抗はなかったですね。
着ぐるみの中に入って演じるのは、意外といいんですよ。生身の姿で演じていると、人の視線を針のように感じるんです。

でも布が1枚あるだけで、自分の姿を晒さずに自由に表現できるので、自分ではないものが出せるような気がするんです。舞台に出る人がメイクをすると気分が変わるとか、小道具のメガネをかけたとたんに役になりきるとか、そういうのと似たような感じですね。着ぐるみってメイクや小道具と違って、着るだけで見た目が確実に変わるんです。これはいいですよ。とはいえ、ワンワンというキャラクターは常に自分の中にあるんですが、演じているとつい自分が出てしまうこともあります。そういう意味では、ワンワンと自分がほとんど渾然一体となっていますね。
ただひとつだけ問題があって、着ぐるみは視界が狭くて下はまったく見えないんです。番組では赤ちゃんと共演しているのですが、赤ちゃんを蹴っちゃったり踏んじゃったりしたら大変なので、そこだけは気をつけています。でも、赤ちゃんってなぜかワンワンの足の間をくぐったり、足にまとわりついたりするのが大好きなんですよ。1回でもその快感を味わっちゃうと、何回でもやろうとしますからね。それでたまにアクシデントが起きることもあります。赤ちゃんって、衝撃を受けてもすぐには泣き出さないんです。ぶつかってころんと転がったら、ちょっと間があってからウワーンと泣き出す。僕が誤ってぶつかってしまったとき、「今なにか当たった気がしたけど、なにも聞こえないから大丈夫かな?」と思って続けていると、ウワーンと泣き声が聞こえてくる。そうなると収録を中断しなければなりませんから大変なんです。赤ちゃんも、1回蹴られたりぶつかったりすると、「ワンワンの足下は危ない」と分かってくれるんですが……。
ワンワンの操演をしながら同時にしゃべるというのも、最初からの企画でした。もうひとりの出演者の女の子は当然生で演じているので、着ぐるみに入った状態でその場でしゃべったほうが、自然な対応ができるだろうという意図だったんだと思います。ただ、操演にはやはり体力がいりますね。ジョギングが好きなので毎日必ずジョギングをしているんですが、それがいい体力作りになっているのかもしれません。

先輩から学ぼう!

声優相談室、柴田がカツ
最強声優データベース、声優名鑑

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