声優道

超ベテラン声優からあなたへ、声優になるための極意を伝授します。


_1DX2370

檜山修之の声優道

熱血漢にクールな二枚目、冷徹な悪役、さらには三枚目の面白キャラまで幅広い役柄をこなす声優・檜山修之さん。これまで檜山さんが歩んできた声優道を、全3回のトークでお届けします。

プロフィール

檜山修之 ひやまのぶゆき・・・8月25日、広島県生まれ。アーツビジョン所属。アニメ『地球SOS それいけコロリン』(シンドローム)、『幽☆遊☆白書』(飛影)、『勇者特急マイトガイン』(旋風寺舞人)、『勇者王ガオガイガー』(獅子王凱)のほか、外画や特撮ドラマの吹替え、ゲーム、ナレーションなど幅広く活躍。3/1には、森川智之とのトークライブ『おまえらのためだろ! 第46弾』に出演する。

③声の芝居の魅力に気づいた放送劇が僕の原点

「ダメ出し」は怒られているんじゃない

_1DX2512

第1回でも話しましたけど、僕らが駆け出しの頃の現場は、先輩方が多くて、若手は本当に少なかった。でも今の現場は若手が多くて、ベテランが少なくなっています。だから若手の子たちは伸び伸びとやっていますね。それはそれで良いことなんですけど、ちょっと度が過ぎると「ここはサークルじゃねぇぞ」「お前ら、養成所の延長でやってんじゃねぇぞ」って思うこともあります(笑)。

だからといって注意すると、萎縮しちゃうんですよ。打たれ弱いというか、怒られ慣れていないというか。萎縮されると現場の作業も進まなくなってしまうので、「言わなきゃ良かったな」と思うこともあります(苦笑)。もちろん、その子のタイプにもよりますよ。「こいつには言っても平気だな」と思う子にはちゃんと注意しています。

収録の最中には音響監督からダメ出しをされますが、ダメ出しを「怒られている」と感じてしまう子もいるんです。いやいや、ダメ出しは怒られているんじゃない。修正ですよと。「芝居の方向が違うから、こっちにして」ってことだから。確かに自分が提示した芝居は否定されますが、でも怒られているのとは違うから萎縮することはないんです。そもそも現場でディレクションを受けることが、われわれの仕事なんですから。

あえて違うパターンを演じてみる冒険も大切

声優を目指してこの業界に入ってきた若い人たちは、全員とは言わないけど、ほとんどがアニメ大好きでアニメをたくさん観てきた人たちですよね。すると、自分たちは自覚していないかもしれないけど、あまり個性的じゃないんですよ、芝居が。「こういうキャラクターだから、こう演じるといいんじゃない?」というパターン化した芝居をやっている人が多い。だから個性が埋没しているんじゃないかなと思います。

僕は若い人たちに対して、逆説的に言うんですよ。「声優になりたいのなら、2年くらいアニメを一切観ないのも手だよ」って。アニメとは違うドラマや映画、お芝居などを観て、いろんな表現方法を探ってみるのも一つの方法。そうやって、一度発想を切り替えてみるのも大事なのかなと思います。

今の若い人たちは、映像に合わせて喋るのは上手い。だから芝居に個性がないのは惜しいんです。「こういうキャラだからこうでしょ」ではなく、そのキャラを「あえて違うパターンで演じてみよう」と冒険してみることも大事です。ある種危険なことだけど、上手くはまればそれが個性になる。だから「思い切ってやればいいのに」って思いますね。でも、そう考える一方で、「こいつら、冒険しないから怖くねぇな。まだまだ俺らの時代、続くな」なんて思ったりもしますけど(笑)。

 

夢は幅広く演じることと、生涯現役でいること

僕は今年、この世界に入って28年目になります。この業界で長く生き残るためには何が必要だろう? と考えたとき、やはり「楽しむこと」が大事なのかなと思います。もちろん仕事は仕事ですから、自分が意図したことと違うことを求められる場合もあるし、不満に思うこともあるでしょう。でも、それはどんな職に就いても同じことですよね。

役者って、世の中にあってもなくてもいい職業と思っています。でも、ないとつまんないじゃないですか。そして自分が楽しんでいないと、見ている人も楽しくならない。だから100%は無理としても、どこかしら楽しむ部分が必要なんだと思います。自分が楽しんで好きなことをやって、お金をいただいてメシが食える・・・これ、最高の状況ですよね(笑)。

_1DX25

僕の夢としては、これからも幅広くいろんな役柄を演じていきたいです。どんなキャラクターでも「檜山を使ってみたい」と言われれば、ぜひやってみたい。前にも話しましたが、僕の原点は高校時代にやった放送劇。そこで「幅広い役柄を演じられるのが、声の芝居の魅力だ」と気づいて声優を目指し始めた人間ですから。とにかく幅広くやりたいんです。それこそ老若男女を網羅したい。可能ならばヒロインでも!! まぁ、さすがにヒロインはオファーが来ないと思いますけど(笑)。

顔出しの役者さんで素晴らしい方はたくさんいらっしゃいます。でも自分自身の身体を使う芝居である以上、演じられる役の幅は狭まりますよね。僕は今年で48歳になりますが、今でも、中学生のキャラクターの声を演じていますよ。実写の作品だったら、48歳のおっさんが中学生役をやるなんて、よほど奇をてらった作品じゃないとありえないですからね。他にも妖怪の声をやったり、ロボットの声をやったり・・。そこが声優の面白いところですよね。

 もう一つの夢は、生涯現役でいること。まさに死ぬ瞬間まで声優でいたいんです。もっとも求められないと仕事はないので、歳をとっても、それ相応に現場に求められる役者でありたいと思います。先日亡くなられた大塚周夫さんもそうでしたが、役者の世界には、最後の最後まで現役でまっとうされた先輩方がたくさんいらっしゃいます。そういう方々が僕のあこがれであり、目標ですね。

 

先輩から学ぼう!

声優相談室、柴田がカツ
最強声優データベース、声優名鑑

ページの先頭へ戻る