声優道

超ベテラン声優からあなたへ、声優になるための極意を伝授します。


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大原めぐみの声優道

結婚して専業主婦になってから声優の勉強を始め、声優デビューして間もなく国民的アニメ『ドラえもん』の野比のび太役をゲット!! 以後、『ドラえもん』を中心に、アニメ、ゲーム、ドラマCDなど幅広く活躍している大原めぐみさん。これまで大原さんが歩んできた声優道を、全3回のトークでお届けします。

プロフィール

大原めぐみ おおはらめぐみ…4月16日、東京都生まれ。ケッケコーポレーション所属。主な出演作は、アニメ『ドラえもん』(野比のび太)、『それでも町は廻っている』(夏彦少年、末兼レポーター)、『やなせたかしメルヘン劇場』、ゲーム『スぺクトラルジーン』(エンジュ)などに出演。

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③勉強の内容は変わっても、声優としてのゴールはない

勉強の内容は変わっても、声優としてのゴールはない

 その後、『ドラえもん』の“居残り”収録にかかる時間は少しずつ短くなって、だんだん早く帰れるようにはなりました。役にシンクロする感覚がつかめるようになったのは10年くらい経った頃。つい最近のことですね。今ではようやく役とシンクロできる感覚が多くなってきて、『ドラえもん』という世界観をのび太と一緒に楽しめるようになってきました。

 ただ、気持ちを音で表すのは本当に難しくて、今、声優の勉強をされている皆さんも、この壁を感じることがあるんじゃないかと思います。私も「どうしたら監督の求めている芝居に到達するんだろう」と思い悩んでプロデューサーさんに相談したこともありましたが、そのときは「それは大原さんが自分で気づかないとできないんじゃないかな。私たちも、言葉では説明できないから」と言われました。なので、現場で先輩たちがどうやって表現しているのかを見て、必死にヒントを探していました。これは自分自身の感覚でくみとっていくしかありません。3-1

 現状で満足したら成長が止まってしまうので、常に勉強は必要です。勉強の内容は変わっても、(声優としての)ゴールはないと思います。常に好奇心を持って何かに挑む行動力が必要でしょうね。もちろん今も現場でダメ出しをいただくことがありますが、そこを真摯に受け止めて、何らかの成長を得られたらと思っています。

 これまで現場で怒られたこと、ご指摘いただいたことは、たくさんあります(笑)。何度もやり直しているうちに、声がお腹から出ていなかったことで芝居の幅が狭まっていたことに気づいたことも。先輩方は体が楽器のようになっていて、2オクターブ、3オクターブと声が出るんですよ。私はきちんと声が出ていなかったから、その幅が狭くて、表現の幅も狭かったんです。これから声優になる皆さんは、体が楽器になるように、自在に声を出せるように、腹式の発声をしっかりマスターしておいてほしいです。

声優としての幸せを感じる瞬間とは?

 そういう失敗や反省から学べることもたくさんあるのですが、これからの若い声優さんたちは“失敗すると次につながらなくなる恐怖感”を持って挑まなければいけないとも思います。

 もちろん、私も“『ドラえもん』をクビになるかもしれない危機感”は常に持っていますよ。あるとき「もう(役を降りていただいて)いいですよ」と言われても後悔しないように、毎回「今できることを全力でやろう」と思って取り組んでいます。そういう気持ちは、持ち続けていないといけない。そこを甘えたら、その気持ちが音や芝居になって出てしまう気がするんです。

 のび太はやっぱり国民的キャラクターなので、責任感は常に持っています。「観てくれる皆さんに楽しんでもらうにはどうしたらいいのか?」と考えながら台本を読んだり、表現の仕方を工夫しています。そんな中、ファンの方から「のび太が頑張っている姿を見て勇気をもらっています」という内容のお手紙をいただいくこともあって、のび太を演じる上で大きな励みになっています。声優として、とてもやり甲斐を感じますね。

 毎年、自分の子供を連れて『ドラえもん』の映画を観に行くのですが、劇場で笑っている子供の姿を見ると「ああ、やっていて良かった~」と思います。劇場で大人も子供もスクリーンに引き込まれて心が動いている状態を目の当たりにすると、「私って、こんなに素敵なお仕事をさせてもらっているんだ」と幸せを感じるんです。

自分さえ諦めなければ、何歳からでもスタートできる3-2

 今、若い声優さんたちを見ていると、自分が新人時代にダメ出しされて悩んでいたことを思い出しますね。「自分はこういう芝居をしたい」と主張したり、自分の考えを変えられない人もいると思いますが、指摘されたことを素直に受け入れることが大切です。相手(=音響監督など)が何を求めているのか、自分は何を求められているのかをしっかりキャッチし、掘り下げて考えてみること。相手に寄り添ったり相手を思いやる気持ちがないと、求められた芝居を出すことはできないと思います。

 また、すべての経験が役者の引き出しになるので、良いことも悪いこともたくさん経験しておくこと。それらが役に立つときが絶対に来るので。学生なら部活やバイト、恋愛など何でもいいのでいろんな経験をしてほしいです。辛い経験でも、何もやらないよりは、そこから学びとれるものがいっぱいあります。たくさん心が動くきっかけになりますから、何にでもトライした方がいいと思いますよ。

 昨今は声優業界も低年齢化してきていますが、本当は自分さえ諦めなければ何歳からでもスタートできるんです。私も27歳で声優を目指し始めて、養成所に入ったときは年齢が上の方でしたけど、私より年上の方もいました。やる気さえあれば大丈夫!! ぜひ夢に向かって行動を始めてください。

先輩から学ぼう!

声優相談室、柴田がカツ
最強声優データベース、声優名鑑

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