声優道

超ベテラン声優からあなたへ、声優になるための極意を伝授します。


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榎本温子の声優道

庵野秀明監督のアニメ『彼氏彼女の事情』で声優デビュー。その後、アニメ『機動天使エンジェリックレイヤー』『ふたりはプリキュア Splash Star』をはじめ、外画吹き替え、ナレーション、ラジオパーソナリティー、イベントMC、シンガーと幅広く活躍している榎本温子さん。そんな榎本さんが歩んできた声優道を、全3回のトークでお届けします。

プロフィール

榎本温子 えのもとあつこ…11月1日、東京都生まれ。フリー。アニメ『彼氏彼女の事情』(宮沢雪野)、『機動天使エンジェリックレイヤー』(鈴原みさき)、『ふたりはプリキュア Splash Star』(美翔舞/キュアイーグレット/キュアウィンディ)、『エレメントハンター』(キアラ・フィリーナ)などに出演。夫は声優の石井マーク。

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②「本当は雪野がやりたかった」と訴えて雪野役をゲット!!

「本当は雪野がやりたかった」と訴えて雪野役をゲット!!

 声優デビューした半年後にアニメ『彼氏彼女の事情』(以下、『カレカノ』)(※)のオーディションに受かって、宮沢雪野役でテレビアニメデビューとなりました。まさにシンデレラストーリーですよね。それが偶然にも、以前ラジオでお会いした庵野秀明監督の作品でした。オーディションは事務所に入っていない一般の方も受けていたので、全部で7,000人くらいの人たちが受けていました。私たちは事務所枠で受けていましたけど、庵野さんが新人を使いたかったらしく、受けられるのは新人に限られていたようです。

 _DSC7325_2 - コピー (2)実は、事務所からは別の役を受けるように指示が来ていたんです。でも原作の漫画を見たときに雪野に共感して「超、雪野やりたい!」って。でも事務所には言えなかったので、「これは現場でどうにかしよう」と。庵野さんとの面談のときに「本当は雪野がやりたかったんです」と直談判しました。あの時は若かったです(笑)。

 そしたら庵野さんが「後悔するといけないから、やってみれば」と言ってくださいました。それで雪野をやったら原作の方も聞いてくださって「私の頭の中ではこの人です」と言ってくださったそうです。うちの事務所からは3人受かりましたが、事務所の人から「受かりました」と聞いたときは、まさか雪野で受かったとは思わず、「井沢真秀さんで受かったのかな? え、雪野~!?」って。本心を言って良かったと思いました。雪野で受けていた山本麻里安も「私は雪野じゃないと思う。他の役がやりたい」と言っていたんですけど、まさか二人とも違う役を受けさせてもらえるとは……驚きました。

 こういうお話をしていると、すごく順調そうに聞こえるでしょうけど、もちろん落ちたオーディションもありますよ。受け方がよく分からなくて、戸惑って失敗もしましたし、上手くいかないことも多かったです。お芝居自体、ほとんどしたことがなかったですしね。

「大人の人って分からない」と思っていました

 この仕事を始めて辛かったのは、大人の人と関わることでした。女子校で育ったので男性がよく分からなかったし。今思えば大したことないんですけど、ちょっとしたキワドイ冗談を言われたり。そういう大人たちのノリについていけなくて「何でこんなひどいことを言うんだろう?」と思ってました。でも主役だったから、私が落ち込んでしまったら全員が失敗してしまうプロジェクトなんだという責任感があって、何とか頑張ろうとしていました。だけど「大人の人って分からない」と思っていました。

 最初の頃は、現場の飲み会もあまり楽しくなかったです。どうしたらいいか分からなくて。でも早く馴染みたい気持ちもあるし、主役だから行かなくちゃとも思っていました。ムード作りとまではいかなくても使命感があったので。馴染めるようになるには何年もかかかりました。食事に誘われたりするのも苦手でしたね。これは一般社会で若い女子の誰もが経験することだと思うんですけど…「行かなくちゃ」と行って、冗談で口説かれたりしても、若いとやっぱり真に受けたりするじゃないですか? でも、だんだんこっちも「友達連れて行っていいですか?」とか対策を考えるようになって(笑)。「事務所の人にスケジュールを確認します」と言って反応を見たり、今は「ごちそうさまです! ブログに書いていいですか?」みたいな軽い感じで交わすことも上手くなりました(笑)。こういうのはどこの業界でもあることですよね。

『プリキュア~』で役者として認めてもらえたと思えました

 今までのお仕事で印象に残っているキャラクターと言えば、やっぱり『カレカノ』の雪野ですね。デビュー作って、本人に似ているところで選ばれる場合が多いんですよ。雪野は自分でも似ていると思うし。あの作品では、庵野さんに「口パクに合わせなくていい」と言われて日常の感じで喋っているんですけど、多分それが受けたんだと思います。だから、まんま当時の私なんですよね。演じているというよりも、喋っているだけという感じです。

 それと、_1_DSC7314_1転機になったのは『ふたりはプリキュア Splash Star』の美翔舞ちゃんです。私はそれまでアイドルとしてバンバン出ていましたけど、向いていないと思ったし、違和感を感じたので、アイドルの方向はやめることにしました。それでレコード会社の契約を満了して、事務所を移籍して、最初のオーディションが『プリキュア~』でした。受かったときはびっくりしましたが、このときやっと有名な子供番組の主役に選んでいただけて、役者として認められたのかなと思えました。

 それまでは居場所がない感じでした。アフレコのスタジオにいても「あの子はアイドル」「雑誌に載っている子」みたいな感じで見られていたので。それが『プリキュア~』をやって自信がつきました。女児向けアニメの頂点なのでグッズ数も多いし、全国ですごい規模のキャラクターショーも行われていました。CMも流れるし、『プリキュア~』と言ったらみんなが分かるのがすごいなと思いました。

  最近では、『LINE TOWN』のヒヨコのサリーちゃんが印象的かな。世界の人に言っても分かってもらえるキャラクターですから。この仕事をやっていると、何のキャラクターをやっているか必ず聞かれるんですよ。もちろん『カレカノ』も有名なアニメだけど、ヒヨコのサリーちゃんはアニメを見ない人でもスタンプを知っているので。最近は、聞かれるとこのキャラクター名を言うようにしています。

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※『彼氏彼女の事情』
1998年10月2日から1999年3月26日まで、テレビ東京系列 (TXN) にて放送された。全26話。『新世紀エヴァンゲリオン』で有名な庵野秀明監督の、『エヴァ』後初のテレビアニメ作品としても注目された。

 

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声優相談室、柴田がカツ
最強声優データベース、声優名鑑

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